書籍「さよなら、インタフェース」 2016年1月18日
ネットスクエアの永田です。
最近「さよなら、インタフェース」という書籍を読みました。
システム開発の現場では、
ユーザーが抱える課題に対して「画面(インタフェース)を用意して解決する」というのはとても自然な流れですが、
本書では盲目的に画面を用意することに異を唱え、
「ベストなインタフェースはノー・インタフェース」というコンセプトを提唱しています。
本書内では色々な事例が紹介されていますが、
特に印象的だったのは「車のドアロックを簡単に解除する」という課題に対する事例です。
この課題を解決するため、ある自動車メーカーはスマートフォンアプリを用意したのですが、
ドアロックを解除するにはスマートフォンを取り出してアプリを立ち上げてといった操作に13もの手順が必要で、
鍵を使った従来の方法より便利になっているとは言い難いものでした。
一方、別の自動車メーカーが採用した解決法は、
クレジットカードサイズの装置を胸ポケットや財布に入れておけば、
「車の所にいく」と「ドアを握って開ける」のたった2つの手順でドアロックが解除されるという
「ノー・インタフェース」な方法でした。
この事例のように「まず画面ありき」の考えにとらわれずに、「ノー・インタフェース」な方法を実現するためには
- 画面に頼らず、解決したい問題につきものの「いつもの手順」を理解する
- ユーザーに情報を入力させるのではなく、マシンが情報を自動的に収集し、ユーザーの文脈にあわせて必要なモノを提供する
といったことが大事であると著者は語っています。
画面のあるWebアプリケーションばかりを作成している自分にとっては、新しい視点を与えてくれる一冊でした。